◆ アロマテラピーのメカニズム ◆
◆ 3つのプロセス
私たちが精油の香りを楽しむ時、身体の中ではさまざまな動きが起こります。そのメカニズムには大きく分けて3つの流れがあります。
香りは空気中で小さな分子として飛び回っています。分子が鼻の中を転がっていくと、数秒で大脳から神経系やホルモン系、免疫系にまで影響は及びます。分子が気管から肺へ入っていく途中、香りの成分は粘膜をきれいにしていきます。分子が肌に触れると、その小ささと親油性から肌の奥まで浸透していき、細胞の生成リズムを整えてくれるのです。
◆ 1.鼻から大脳へ
精油の香りを楽しむ時、香りの小さな分子は鼻の中を伝わって、鼻の付け根のあたりにある嗅上皮に伝わります。親指の爪ほどの大きさのこの粘膜で、香りの分子はインパルス(電気信号)に変換されて大脳に伝わります。
大脳の中心部には大脳辺縁系と呼ばれる、人間の本能的な部分(食・性・情動など)を司っている部分があります。インパルスはこの部分に強く働きかけることが解明されてきました。辺縁系の周囲にある、創造の場と呼ばれる大脳新皮質にもその刺激が伝わり、さらに視床下部や脳下垂体にもインパルスは伝わっていきます。この結果、自律神経系やホルモン系、免疫系の働きを調整し、心と身体に影響を与えることが解明されつつあります。
香りによって働きかける部分が違うため、リラックスしたり、しゃきっとしたり、色っぽくなったりと、影響はさまざまです。たとえばラベンダー油の香りは縫線核に働きかけ、神経伝達物質セロトニンの分泌を促すことで気持ちを和らげ眠りを誘います。(うつや情緒不安、不眠症の人の血中にはセロトニンが不足しているケースが多くみられます。)また同じシソ科のローズマリー油は脳内の扁桃核と海馬に働きかけ集中力や記憶力を高め、気分をリフレッシュする働きがあります。
理性によって情動をコントロールし、ストレスの多い社会に生きている私たちが、快い植物の香りを楽しむことで、自らの身体のリズムを見直すきっかけになることを期待しております。
◆ 2.鼻から肺へ
香りを楽しむ時、香りの分子は呼吸と一緒に鼻や口から喉を通って気管や気管支、肺へと入り、粘膜から血管壁を通って吸収されます。香りの成分は各器官で分解され最終的には体外に排出されます。精油には抗菌作用や殺菌作用があるので、吸入することで喉や気管をクリーンに保つ事ができます。インフルエンザがはやる時期に部屋やベッドサイドに精油を香らせるだけでも充分にこの働きは期待できます。眠るためラベンダー油を寝室に香らせることで同時に吸入もできるわけです。
◆ 3.表皮から皮下組織へ
精油を植物性油脂や大量の水で希釈して、肌に用いるときのプロセスです。皮膚は大きく分けて表皮、真皮、皮下組織(脂肪組織)の3層から成り立っています。表皮と真皮の間にあるバリアゾーンと呼ばれる保護膜は、水分や紫外線をカットする働きがあります。この保護膜を通過できる物質は少ないのですが、精油はこの層を通過してさらに下の組織にも浸透することができます。
皮膚は28日周期で生まれ変わっています。新しい細胞が28日かかって押し上げられ、古い細胞は垢としてはがれ落ちていきます。これをターンオーバーと呼びますが、これは月の満ち欠けや女性の月経周期とも一致しています。不規則な生活やホルモンバランスの乱れ、消化器系の機能低下によってもターンオーバーのサイクルは乱れます。精油をスキンケアに使うことで、精油の抗菌作用や代謝をを促進する作用、ホルモン調整作用が肌だけでなく身体全体に働きかけます。そのため身体の内側から肌を健やかに美しく保つ事が可能となるわけです。
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